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 心の窓 41.あしたまた来てね  
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あしたまた来てね

アフリカでは、飢餓に苦しんでいる国がたくさんあります。

日本からも、たくさんの若者がボランティアでアフリカに援助にいっています。


ある日本人のボランティア団体で、食糧の供給をやっていました。

その日の食料であるとうもろこしのスープをもらうために、

ずいぶん遠くからも子供たちが歩いて集まり、行列が出来ています。


ある日、子どもが遠くからやってきたのですが、遅れてきたらしく泣いています。

「ぼくのスープはもうないの?」


ボランティアの人たちも、

「ごめんね、もう空っぽなの・・・・。あしたまた来てね」

といって、泣いて答えます。


ボランティアの人たちまでも、なぜ泣いているのか分かりますか?

そうなんです。

その子供に、もう明日がないのを知っているからです。

帰り道、家まで帰りつけずに、餓死してしまうことが分かっているからです。

分かっていても、何もできないつらさに泣いているのです。


この写真をご覧下さい。

手前で子供がうずくまっています。

女の子だそうです。

そして、その後ろでその子が餓死するのを、ハゲタカが待っているのです。

万物の霊長である人間が、なぜハゲタカに食べられないといけないんですか!?

私はこの写真を見て、涙が止まりませんでした。

もし、この子が自分の子だったらどうでしょう。

こんなつらいことはありません。

自分の子でなくても、何とかしたいと思いませんか?


この写真は、ピューリッツァー賞を受賞しました。

しかし、このカメラマンは自殺をしてしまったそうです。

この写真は、世界中の人たちに、アフリカの現状を知らせ、

ボランティア活動の意識を芽生えさせた、とても大きな功績があったと思います。

しかしまた、「なぜこの子を助けなかったのか」、とカメラマンは非難を浴びたのです。

非難する人は、その現場を知らない人たちです。

カメラマンは、ここではこんな子供がたくさんいて、助け切れないということを

分かっていたと思います。でも、その非難の声に負けてしまった・・・。


自分では何もせず、非難だけは立派にする。

そんなことよりも、まず”実践”をする人たちがいかに素晴らしいことか。



このお話は、ある方の講演ビデオで知りました。

日本人は世界一食料を輸入し、そして世界一食料を棄てている国だそうです。

なんと、30%の食料は廃棄されているのです。

なんと贅沢な国なんでしょう。


一人一人が小さなことからでも、

まず自分には何ができるのか、ということから始めていかなければ、

今のままでは、大変なことになるような気がします。

人に何かを強要するのではなく、

まず、自分が出来ることを考えて行きたいと思います。



参考資料(ケビン・カーターの作品):http://homepage.tinet.ie/~manics/MSPedia/Carter.htm


「心の窓、読ませて頂きました。もう涙が止まらなくて
自分の無力さを身に知る思いで一杯です。
私たちに出来ることはどんなことだろうと考えてしまいます。
今、私は、冷蔵庫で物を腐らせないことと、贅沢をしないこと、
作った料理は、捨てないで翌日も食べる事を心がけています。

餓死する人が、一人でも助かる世の中になるように、
自分に何が出来るのかを考えていきたいと思います。
まーちゃんと出会い、心の窓を読むことが出来たことを
本当に感謝しています。
心の窓を、一人でも多くの方が読んで、立ち止まって
考えてくれると良いなぁと思います。
ありがとうございました。(愛知 Nさんより)」


 私が北海道で講演したときに、このハゲタカの話をしました。
 そして、そこに参加された方がこのようなメールを参加した仲間にメールを送られました。それを転載しますね。

 「昨日は、石山さんのお話、素晴らしかったですね、参加された皆様は、されなかった方にもに感動の話をお伝えしょう。

 石山さんが最後に見せて下さった衝撃的な写真、アフリカの子供たちが、飢えで亡くなっていくことを伝えた1枚の写真です。

 隣でハゲタカが少女が死ぬのを待っていましたね。

 あの写真を撮ったケビン・カーター氏はピューリッツアー賞を受けたのですが、

 写真を撮る前に少女をなぜ助けなかったのかという批判が噴出し、

 その後カーター氏は自殺をしたそうです。


 その葬儀の式で、日本の日暮里小学校の児童による、写真に対しての感想が弔辞として披露されたそうです。

 「悲しいこと、つらいことに遭ったとき、この写真を思い出して乗り超えようと思います」

 「ぼくはよく学校の給食を残しますが、これからは好き嫌いなく食べようと思います」

 などの感想文にまじって、一人の生徒は

 「私は自分のことしか考えない生き物でした」と書いたそうです。

  ほとんどの大人は写真そのものが訴える事実を見ることなく、その写真を撮ったカーター氏を裁きました。

 日暮里小学校の児童はこの写真から、アフリカ飢餓の現実を全身で受け止め、

 その実感から生まれた言葉が、民族を超えて葬儀に参列した人たちを感動させたのです。

 「私は自分のことしか考えない生き物でした」という一人の生徒の発言は、

 人を裁き、批判することしか知らない人間に向けての頂門の一針ではないでしょうか・・・。

 カーター氏の両親は葬儀の後、

 「あの写真の持つ意味が初めて理解できました。

 もし息子がこの子供たちの感想文を読んでいたら、自殺を思いとどまったことでしょう」と述べたそうです。

 私はこの話をある方のブログで読みました。

 おそらくカーター氏は自分ひとりでは助けられないほどの悲惨な状況を目の当たりにし、

 人間として苦慮し、逡巡したすえ、自分はカメラマンであるという原点に立ち返り、

 最大の勇気をふりしぼってシャッターを切り続けたのだと思いました。



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