ぴあの屋まーちゃんの連続記事もののページです RSSファイル
総合TOP 調律師の業務日誌ピアノの嫁入り ピアノフォトギャラリーピアノの疑問Q&A ぴあリンクリンクセレクション
ピアノ屋まーちゃんの動画調律師まーちゃんプロフィール あなたのピアノは男?女?まーちゃんのファーストアルバム
あなたのピアノのルーツ! ピアノの上手な選び方 メゾピアノ(消音対策)緊急! ピアノ地震対策 ぴあリンク 掲示板
 連続記事ジャンル
心の窓  ピアノ調律師の奮闘記  ピアノ調律師になりたい?  ピアノ調律 ありがとう!
あなたのピアノ体験記  ぴあの屋ニュース  まーちゃん感動の1冊

最近の記事
07月15日 心の窓メルマガ版 6...
06日 心の窓メルマガ版 6...

最新記事を携帯でチェック!

QRコード
ぴあの屋.COM ご案内
   まーちゃんのお薦めグッズ
   ピアノ調律料金表
   中古ピアノ情報
   まーちゃんの音楽教室
   ピアノ屋ドットコムスタッフ紹介
   特定商取引に関する表示
   個人情報について
   メールフォーム


 心の窓メルマガ版 45 「勇気を与えた少年」  
記事タグ5

勇気を与えた少年

心の窓43号「子供は天使」はとても反響がありました。

もう一ついいお話がありますので、お届したいと思います。


「もう死にたい・・・・。もうやだよ・・・・・。つらいよ・・・・・」
妻は産婦人科の待合室で人目もはばからず泣いていた。

前回の流産の時、私の妹が妻に言った言葉・・・。
「中絶経験があったりすると、流産しやすい体質になっちゃうんだって」。

あまりにも人を思いやらない言葉に私は激怒し、それ以来妹夫婦とは疎遠になっている。

妻は口には出していないが、もうすごく辛い思いをしていたと思う。

だから、今日までなんとか二人で頑張ってきたが、3度目の流産。


前回も前々回の時も、「また、頑張ろう」と励ましてきたが、励ます言葉が妻にプレッシャーをかけるような気がして、何も言えなかった。

いや、そうではない。今考えるとおそらく、3度目の流産を告げられて、子供がいない人生を私は模索し始めていたんだと思う。

私は冷酷な動物だ。情けない。

「ごめんね・・・・。でももう私頑張れないかも。もう駄目だと思う」。

待合室に妻の嗚咽だけが響く。


その時、妻の隣に4〜5才くらいの男の子が座った。

「あのね、これあげるから、もう泣かないで」。

その子が差し出した手に上には二つの指輪。

おそらくお菓子のおまけだと思う。


男の子「水色のは泣かないお守り。こっちの赤いのはお願いできるお守り」。

私「いいの? だってこれ、ボクのお守りなんでしょ?」。

男の子「いいよ、あげるよ。ボクね、これ使ったら泣かなくなったよ。もう強い子だからいらないの」。

私「赤い指輪は? お願いが叶うお守りなんでしょ? これはいいよ」。

男の子「これね。二つないとパワーが出ないんだって。お父さんが言ってた」。

そういうと男の子は「だから泣かないで」といいながら妻の頭を撫でた。


すこし離れたところから「ゆうき〜、帰るよ〜」という彼のお父さんらしき人が彼を呼ぶと、

男の子は妻のひざに2つの指輪を置いて「じゃあね、バイバ〜イ」と言って、去っていった。

いまどき珍しい、五分刈頭で、目がくりっとしたかわいい男の子だった。

私はその子の後姿をずっと目で追っていたが、ふと隣を見ると妻は二つの指輪をしっかりと握り締めていた。

迷信とか宗教とかおまじないとか、そういったものは全く信じない二人だけど、この指輪だけは、私たちの夢を叶えてくれる宝物に見えた。

その日から妻は、さすがに子供用の指輪なのでサイズが合わないため、紐をつけてキーホルダーにしていた。


それから2年半後、我が家に待望の赤ちゃんが誕生した。

名前はあの子にあやかって「有紀(ゆうき)」にした。

生まれる前から、男の子でも女の子でも「ゆうき」にしようと決めていた。


ゆうきくん、あの時は本当にありがとう。

あの時、君に会えていなかったら、君に慰めてもらえなかったら、今、この幸せを感じることはできなかったと思う。

私たち家族は、君に助けてもらいました。


君からもらった二つの指輪は、娘のへその緒と一緒に、大事に保管してあります。

我が家の宝物です。


うちの娘も、君のように人に幸せを分けてあげられるような子に育って欲しい。

本当に、本当にありがとう。

ぴあの屋ドットコム 石山



名前  URL 
 
よろしければ『書き込み』ボタンをクリックしてください(戻る
 

www.pianoya.com    Copyright pianoya.com All rights reserved
.