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 心の窓 50.ホルチン砂漠ツアー  
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ホルチン砂漠緑化ツアー

2006年6月に私は、中国 内モンゴル自治区のホルチン砂漠に行きました。

ここは日本に一番近い砂漠です。

なんのために行ったかといいますと、木を植えに行ったのです。


今、日本に「黄砂」がたくさん飛んできて、空が黄色くかすみがかかったようになってしまうことがありますね。

そして降ってきた砂で、自動車が真っ白になってしまいます。

これらの「黄砂」は、じつはここから偏西風に乗って、はるか日本まで飛んできているのです。

そして、どんどんと大陸が砂漠化していっている、ということも行ってみて分かりました。


それじゃぁ、なぜ砂漠が広がっているのでしょう?

その答えはこの訪問記をじっくりとお読みくださいね。



■緑化ツアー1日目

中国に瀋陽(しんよう)という都市があります。

北朝鮮の左上あたり、昔は旧満州の中心都市で「奉天」(ほうてん)を言っていました。

そこからガタガタの道4時間を車で走ったところに、この私たちが宿泊したホテルがあります。

5階の部屋でしたが、エレベーターがありませんからとても健康的な生活ができました。(私)

今回私は、日本のある企業がNPO法人「緑化ネットワーク」という団体へ援助をしている関係で

第3次緑化隊ツアーとして参加させていただきました。

これは、その日本企業が緑化ネットワークのジープがあまりにもボロボロで活動が困難を極めている現状を知って

寄付された四輪駆動車です。私も乗りましたが、荒れた大地には最高の乗り物でしたよ。

日本で昔、よく走っていた3輪のトラクターですね。単気筒のバタバタというエンジンの音が

ゴーカートみたいでなかなかいいですよ。この荷台に乗って、砂漠の作業現場に向かいます。


まるで映画のワンシーンみたいです。

中国は広い!

海でもないのに、地平線まで大地が広がっています。

山はどこにも見えません。この畑の先に広大な砂漠が広がっているのです。

ここが砂漠の入り口です。ここまでは木が生えています。

この奥に奥行き20Km、幅80Kmとも言われている砂漠が広がっています。

家畜が入らないように奥に柵がありますが、破られています。

それがこの地が砂漠化している最大の原因なのです。

砂漠の奥へと進みます。

見渡す限りの砂漠です。自然にできた砂漠ならいいんですが・・・。

昔はあんな森があったのです。

どんどん木を切って売ってしまい、家畜に草を根こそぎ食べさせ、気がついたら砂漠がどんどん広がっていたのです。

ゴヒ砂漠のように、自然にできた砂漠ならほっておけばいいのですが、

人間の手でこうしてしまった砂漠は、元に戻さないと大変なことになってしまいます。

砂嵐で一瞬のうちに舞い上がった砂で畑が砂漠になってしまい、

作物が取れなくなった農民は生きていけなくなるのです。

でも、それが現地の人にはわからない。今日生きることが精一杯だからです。

砂漠を奥に進むと、遠くに緑が見えました。ああ、自然の力が森に再生しようとしてるんだ、と嬉しくなりました。

が、緑化ネットワークの人がいわれるには、あの緑もそのうちなくなる、とのこと。

それは、さきほど柵が破られていましたよね。

そうです。家畜に食べさせる草がなくなると砂漠にはいって “密放牧” をする人がいるのです。


この地は中国ですが、内モンゴル自治区といってたくさんのモンゴル族の人が生活しています。

ご存知のように、モンゴルは昔から草のあるところを転々と渡り歩いた「遊牧」でしたね。

ところが生活スタイルが変わって、定住するようになりました。

遊牧しませんから、すぐに家畜に食べさせる草はなくなってしまいます。

そして草がなくなり、木の芽も食べつくして砂漠化が進んでいくのです。

この地の人たちはとても貧乏です。「年収」が2万円くらい。

旭川と同じ緯度ですが、内陸ですので夏は灼熱の暑さ、冬はマイナス30度になり、

夏は朝と夕方しか畑仕事はできません。冬はもちろんなにもできないのです。

マイナス30度といえば、一瞬で凍ったバナナで釘が打てるくらいだといわれています。


広大な畑を手作業で毎日働き、これを売っても30本で1元(約15円)です。

日本で1本500円で屋台で売っているトウモロコシが

農民の手元には1本0.01円ほどしか入らないということです。

高校生のお年玉1万円を持ってこの村で「トウモロコシ下さーい」といえば、

100万本のトウモロコシが届くということですよ。

政府の貧困対策として農民にヤギが供給されたりしたそうですが、

それが逆に、過放牧を増進させてしまっているというのもあるそうです。

とつぜん強風が吹き始め、まず撮影は難しいよ、といわれていた「黄砂が飛んでいる決定的瞬間」を撮れました。

とんがった砂漠の山の先から、砂が舞い上がっています。

80%の重い砂はそのまま下に落ち、残りの20%の砂が成層圏まで舞い上がって偏西風にのって日本まで届くのです。

実際に触ってみるとものすごく細かい砂で、

デジタルカメラを落としてしまうと、機械の奥まで入り込んで一瞬でダメになってしまいます。

こうやって、ツアー1日目は砂漠を実際に見て、その現状と原因をしっかりと勉強してきました。



■緑化ツアー2日目

2日目は実際に緑化作業を行いました。

まず自然の力を信じ、それを助ける作業です。

この写真は相方格(そうほうかく)といって、ワラを埋め込んで砂が飛んでいくのを防止し

また、飛んできた種が芽を出すのを助けます。

ワラの余分な部分を風に飛ばし、必要な芯の部分だけを取り出します。

ワラを並べていきます。あんまり分厚く並べると次の作業が大変ですので、きれいに広げます。

スコップでワラの真ん中を砂にめり込ませて草が生えているように立たせます。出演は私まーちゃんでした。


これで完成! ワラは3年持ちます。その間に種が飛んできて草が生え始めます。


感動! 種が飛んできて小さな木の赤ちゃんが芽を出しました。大きく育ってくれることを祈ります。



■緑化ツアー3・4日目

3日目と4日目は植林です。松とニレを植えましたが、これはニレの植林方法の説明を受けている写真です。



牛の力で溝を作り、そこへ植えていきます。砂漠はすぐそこまで来ています。急がないと。



スコップで穴を掘り、根に巻いているビニールを破ってそこへ苗を置いて軽く土をかぶせます。

地下水をポンプで汲み上げます。

バケツリレーで苗木のところまで一気に運びます。

バケツリレーで運んだ水を、一つ一つの穴に流し込みます。

穴を少し深めにしておかないと他に流れていってしみこんでいきませんので慎重に。


水がしみこんでから、土をかぶせます。大きくなれよ、と願いながら…。


成長しはじめた、ニレの木。もっと大きくなって森になっていきます。


これは植えて2年目の松です。松は成長するのに時間はかかりますが、とても生命力のある木なんです。


この地では、緑化ネットワークの活動に賛同した日本企業が続々と参加しています。

他にも、大手写真フィルム製造企業や、アウトドア用品販売会社、共済販売会社など素晴らしいことです。



植林地そばの休憩小屋です。夏は気温が40度近くなりますので、真昼はここで休憩しないと大変です。

まるで3匹のこぶたのレンガの家のようでした。屋根の上に干してあるのはチキンの燻製。

現地の人は、昼から白酒(パイチュウ)を楽しみますから、お酒のあてなんでしょう。

でも、ニワトリそのままの形をしてましたから、ゾゾっとしたのは事実です(笑)。

中国国内にわずかにある原生林の一つが、この植林地近くに残っています。

もともと皇帝の狩をする地だったことと、地震の断層でこの部分だけが低くなっていて

木を成長させるための水が豊富にあったからでしょうか。



原生林というくらいですから、屋久島のように巨大な木が生い茂っているのかと思えば、

日本のどこにでもある森でした。

樹齢800年くらいの木らしいですが、成長がおそく樹齢30年くらいの日本の杉と変わらないくらいの太さです。

木を生長させる条件って、案外厳しいんだということが分かりました。

中国国内では本当にめずらしい“森”を見るために、たくさんの観光客がきていました。

経済成長も大切ですが、木を伐採しすぎるとこうなってしまうということが分かりました。



さてここで問題です。

町で見つけたお店の看板です。なんの店でしょうか?

中国は字をよんでそのまま分かりますよね。


クリーニング屋さんです。「中心」とはセンターの意味です。「クリーニングセンター」ですね。



それでは、「超市]って何でしょう?

そのまま読んでください。「超」(スーパー)「市」(マーケット)です。



にぎやかな町と違って、ホルチン砂漠近くの村はとても貧乏です。

植林に向かう途中の道路料金所に止まったときに、右腕のない子がいました。

彼は運転席に駆け寄ってきました。

すると運転手は当たり前のように、カラのペットボトルを彼に渡しました。

車が出発すると彼はニコっと笑って、ペットボトルを振りました。


彼の行動で車にいた日本人全員が察しました。

彼は小学校3年生くらいだと思います。通る車に声をかけてペットボトルを集め、

どこかに売って家族を助けているのでしょう。

そんな姿を見た私たちのメンバー何人かは、自分が飲んだペットボトルを大事においておくようになりました。

そうです。彼に渡すためです。


次に通ったときも彼はいました。ペットボトルを渡すと彼はキラキラと輝く目でうれしそうにこちらを見ていました。

片腕がなく、親の手伝いもできなくても、こうやってペットボトルを集めることくらいはできる。

彼はそう思ったのでしょう。

お金を渡すのではなく、彼の仕事を援助する。彼がこれから生きていくには自分で生きる方法を

やり続けないといけないのです。これが大切なことだと私たちは思いました。


今回のツアーも前回のタイと同様、とても有意義のあるものでした。

当たり前のことが当たり前でない世界がいかに多いのか。

また、人間の乱開発や過放牧で地球環境がどんどんと破壊されている現実をまざまざと感じ、また

自分のできることからやっていかないと大変なことになると思いました。


長い文章を最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。



今回参加したツアー 緑化ネットワーク
2006.8



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