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ピアノ選び体験記А        。癸 らみい   (音楽大好きママ「らみい」さんと共同企画

A社にしちゃおうかな

この「ピアノ購入体験記」の連載を始めてから、

高校時代の吹奏楽部の友人に、このように言われました。

「ピアノの一台一台の違いがわかるなんてすごいねー。

私には試弾してもわからないよ。皆同じような気がする。」

そういうあなたもクラリネット買うときは、ちゃんと試奏して、

自分で選んで買ったではないかい〜〜!

しかし、ピアノを試弾して買った、という話しは実は自分自身も聞いたことがなかったのです。

いろいろ理由が考えられます。

まず、たいてい、

ピアノを始める幼少期に購入されているため、自分で試弾して買うということはありません。

ピアノというのは高価なものなので、あまり買い換える機会もないのです。

しかし、音大時代アップライトからグランドに買い換える友人がかなりいました。

しかし、そこでも試弾したという話しはあまり、聞きませんでした。

実は自分自身も、音大時代にグランドピアノを買ったときに試弾はしなかったのです。


自分は中学生の時、サックスを買いました。

そのときはちゃんと試奏して、気に入った楽器を選びました。なのになぜー!?

高校時代の吹奏楽部の友人もそうですが、

素人が管楽器を買うのにちゃんと試奏するのになぜ、

音大生でもピアノを試弾しないで買ってしまうのだろうか!?

これにもまた理由がいろいろ考えられます。


管楽器は、買ったその日から、My楽器です。どこに行くにもいっしょです。

練習の時も、レッスンのときも、本番も、いつでもその楽器で演奏します。

だから、自分の楽器を慎重に選びにお金をかけ、よく手入れすることには、大変意味があります。

もちろん、ピアノにもこのことは、大変重要です。

しかし、どんなに慎重に選んで、お金をかけて、よく手入れをしても、

その楽器を持って演奏に出かけることはできないのです。

これがピアニストのつらいところですね・・

自宅でレッスンを受けるわけでなければ、自宅でコンサートを開くわけでなければ、

自分の楽器というのは、練習用でしかないのです。

そう、考えるといくら自分のピアノにこだわっても・・

という気になってしまうのではないでしょうか。


ピアノは、管楽器に比べると、製品のばらつきが少ないと思えます。

逆に管楽器は、楽器ひとつひとつの違いが素人にもわかるほど、

ばらつきがあることがあります。

また、管楽器ははじめは学校の吹奏楽部などで学校備品の楽器を使い、

ある程度吹けるようになってから、買うことが多いので、感覚も養われているでしょう。

(しかし、なんも知らんといきなり楽器を買って入部してくる生徒もいましたが・・)

また、管楽器はピアノに比べて、安価なことが多く、買い換えも手頃です。

初心者のころは安い楽器を買って、上達したころにさらに上の楽器を・・ということもあるでしょう。

買い換えのころには、楽器に対するこだわりもできて、

試奏はかかせないものになっていると思います。

私のサックスも3台目の楽器です。もちろん試奏して買いました。

私も年を重ね、楽器に対するこだわりも出てきましたので、

今回「ピアノ試弾→購入」という一大イベントに踏み切ったわけです。

ところが、自分が思っていたより、ピアノにはかなりばらつきがありました。

特にB社のピアノは・・


A社の製品はピアノに限らず、全体的にばらつきが少ないように思えます。

これはかなり私個人の主観によるところが大きいのですが

「いつでも、どこでも、どんな楽器を弾いても、ついでに誰が弾いてもA社の楽器」

というのが、私のA社に対するイメージです。これはA社の長所でもあり、短所でもあると思います。


学校にもA社のカタログがありますが、

A社は楽器と名の付くモノはほとんど扱っているのではないか?と思います。

それは、音楽関係者としては大変ありがたいことでもあります。

とりあえずA社の楽器を買っておけば、まちがいはないであろう、と思います。

しかも、手頃な値段のものからそれなりの値段のものまであります。

だからたいてい学校備品の楽器はA社です。


私は、初めてサックスを買ったとき、A社の楽器を買いました。

先輩から他の一流メーカーを奨められましたが、金額的に無理でした。

A社は小さい頃からよく知っているメーカーでしたから、間違いはないだろうと思ったのです。

今思うと、A社は楽器の重さも軽く、初心者には向いています。

「楽器の普及」という点においてはA社の功績は大だと思います。

しかし、やはり高校生の頃からA社の楽器には飽き足らなくなり、

サックスでは一番人気のS社の楽器を大学生のときに手にしました。(これは譲ってもらったもの)

やはりS社は音色が抜群に良いのです。しかし、音程はA社の方がよいのです。

音程のコントロールはS社の方が初心者には難しいでしょう。

A社のあらゆる楽器に言えるのですが、

メカニックな部分ではたいへん優れていると思います。

故障も少なく、安定した楽器といえるでしょう。

ただ、音色の点では、好みが分かれるところです・・・

少なくとも、管楽器の世界では、プロでA社の楽器を使っている、という人はあまりいません。


高校時代から、フルートならム○マツ、クラリネットならク○ンポン、トランペットならバッ○、

シンバルなら○ルジャ、と一番人気メーカーは定まっていました。


さて、問題のピアノについてですが・・・

プロのピアニストがA社のピアノを使っていたからと言って、

なんらおかしいとは思わないでしょう。

それは、外国産の一流メーカー(スタ○ウェイなど)が

とても個人で所有するには手の届く値段ではないこともありますが、

A社のピアノがそれだけ受け入れられているということでしょう。

あらゆる楽器をつくっているA社ですが、

その中でピアノはA社の看板楽器と思えます。(ついでにいうとエ○クトーンも。)



さて、「もう一度チャンスを」と言って去っていったルーさん。

直営店の方に、本社から新しいピアノが入る度に、私に電話をくれました。

それで、何度か試弾に行きました。

たしかに初めの頃に比べれば、かなり自分の好みには近くなっている。

でも、どうもピンとこないんです。

ルーさんもだんだん疲れてきたようです。

私に会う度に「どうもー」と言いながら情けない笑みを浮かべます。

あなた、いったいいつになったらピアノ買ってくれるんですかー

ホントに買う気あるんですかー、おちょくってるだけじゃないんですかー

とでも言いたげです。

しかし、納得しないで買うのは嫌だし、どうしても早急に必要というわけではないのだから、

あわてずに・・・


ルーさんが私の留守中にポストに手紙を入れていきました。

「どうぞ、[らみい]さんが納得いくまでじっくりと試弾して下さい。」とありました。

それから電話もそうそうかかってこなくなりました。ついに息切れしたのか?

まあ、これで少し落ち着ける・・

と思ったら、突然早急にピアノが必要な事態がやってきました。

らみいの通う教会で、コンサートが行われることになり、

そこでなんとらみいがピアノを弾くことになったのです。

と、言っても声楽の伴奏なのですが、

らみいは近頃ずっとオルガン専門でやってきていて、ピアノはほとんどやっていません。

人前で弾くなんて何年ぶり?

しかもコンサートという場で弾くのは初めてです。(発表会とか試験ならあるけど・・)

これはもう絶対自宅にピアノがなければだめだー、

と思って一刻も早くピアノが欲しくなってしまったのです。

しかし、B社のピアノがなあ・・

どうせB社に私ごのみの音色のピアノがないのなら、なにもB社にこだわることはないのでは。

A社の方が、「いつでもどこでもA社のピアノ」で無難だし。

それにA社のAU5はけっこうよかった。あれなら買ってもいいなあ。あれを買っちゃおうかな・・

頭の中にルーさんの顔が浮かびます。

B社の音楽教室行っているのにA社のピアノ買ったんじゃまずいよね。

ルーさんには「突然、知人から中古のピアノをゆずってもらった」とか嘘ついちゃおうかなー

・・・などと日々考えていたのでした。そんなある日・・!!!?



      次号につづく・・・



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