心の窓メルマガ版 30 「理念」

理念

だいぶ以前ですが、友人からある文章のコピーが送られてきました。今、飛騨牛やうなぎの表示偽装などの社会問題が続出していますが、その原因は会社の経営者の理念がすべてであると思います。そんなことを考えながらお読み下さい。

『社長の想念を実行する社員を育てる』
どんなに商品が優れていても、社長の想念が社員に伝わっていなければ、売れない。
社長になり代わって、社員が店頭に立ち、得意先を訪問し、販売促進をやって、売上を稼いでいることを忘れないで欲しい。社長の想念を体した、熱意溢れる社員を一人でも多く育てることが、本当に強い会社を築く要諦である。

私が感じ入った会社の一つに叶匠寿庵がある。創業者は、39歳の時に人生を見つめ直し、長年勤めた地方公務員の職を、後わずか三カ月で恩給がつく、という直前に辞め、素人の身一つで和菓子店を起こした。

初めは、饅頭を作って箱に詰め、肩に下げ、観光バスの窓に向かって売り歩いた。その地を這うような苦労から、人情の機微も、商売の酸いも甘いも、人たる者の夢や使命も、知り尽くした人である。惜しいことに、亡くなられて十年ほどになる。

創業者は、社長の心を心とし、お客様の喜びを喜びとして、どんな苦労にもめげない社員を育てることに命を捧げた。

ある時、こんなことがあった。お菓子を買われたお客様が、代金を払うと、お菓子を置き忘れて、そそくさと帰られてしまった。気づいた女子社員が急いで後を追ったが、見あたらない。

機転をきかした彼女は、独りでタクシーに乗り、京都駅に駆けつけた。店でのやり取りから、東京の人で、何時の新幹線に乗るか分かっていたからである。発車のベルが鳴り止む寸前、間一髪で新幹線に飛び乗ることが出来た。

長い長い列車を捜し回り、お客様を見つけたのは、もうすぐ名古屋という辺りだった。お客様は、驚くやら、感激するやで、何度も何度もお辞儀を繰り返し、握手を求め、全身で感謝を現された。

疲れた乗客が多く、殺伐とした車内で、その一角だけがパッと光が射したように輝いて見えたという。お客様が、「きみは、これからどうするんだ」と、目頭を熱くして尋ねた。

「お会いできて、本当に嬉しかったです。ちょうど名古屋ですので、京都に引き返させていただきます」と、笑顔を残して辞去すると、列車が見えなくなるまで手を振って見送った。

この女子社員は、社長の命令で、そうしたわけではない。自分の機転と判断で、わずか数千円のお菓子を持って、新幹線に飛び乗ったのである。お金では替えられない叶匠寿庵の心が、お菓子に込められていたからである。

社長がこのことを知ったのは、彼女からの報告からではない。お客様が雑誌に書かれて、それを送ってくださったからである。

社員が良く育っていないと、社長の想いはなかなか実行されない。苦労人の社長は、和菓子だけを売っているのではなく、商いの道とか心、哲学とかお客様の喜び、そういったものを命懸けで守ってきたわけである。だから、社長の想いが骨身にしみて社員に伝わり、実行されたのだ。社員が良いと、伝説が生まれる。

社長は亡くなられたが、その遺伝子が社員の血の中に脈々と流れ続けていることを願って止まない。社長の想念を体し、機転をきかして実行する社員こそ素晴らしい。

以上、どなたの文章か分かりませんが、いいお話なので掲載させていただきました。
私の会社でも、常に「ありがとうと言われる調律師になれ」と社員に言っています。そして、社員が喜びを持って仕事をし、会社もきちんと利益を上げ、もちろんお客様もここに頼んでよかった、と思ってもらえる、「3方すべてがよし」という形をとり続けていきたいと思っています。

ぴあの屋ドットコム 石山


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マーちゃん

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