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心の窓 ドラえもん最終回

《ドラえもん最終回》

のび太とドラえもんに別れの時が訪れます。

それは、なんともあっさりと...。
のび太はいつものように、

宿題をせずに学校で叱られたり、
はたまたジャイアンにいじめられたり、

時にはスネ夫の自慢話を聞かされたり、
未来のお嫁さんであるはずのしずかちゃんが

出来杉との約束を優先してしまう、
などなどと、とまぁ 、

小学生にとってはそれがすべての世界であり
一番パターン化されてますが、
ママに叱られたのかもしれません。

とにかく、いつものように、
あの雲が青い空に浮かんでいた、
天気のいい日であることは
間違いないことでしょう。

そんないつもの風景で、
ドラえもんが動かなくなっていた...。

当然、のび太にはその理由は分かりません。

喋りかけたり、叩いたり、蹴ったり、
しっぽを引っ張ってみたりもしたでしょう。

なんの反応も示さないドラえもんを見て
のび太はだんだん不安になってしまいます。

付き合いも長く、
そして固い友情で結ばれている彼ら、

そしてのび太には動かなくなった
ドラえもんがどういう状態にあるのか、
小学生ながらに理解するのです。

その晩、のび太は枕を濡らします。

ちょこんと柱を背にして
座っているドラえもん...。

のび太は眠りにつくことができません。
泣き疲れて、ただぼんやりしています。

無駄と分かりつつ、
いろんなことをしました。
できうることのすべてをやったのでしょう。

それでも何の反応も示さないドラえもん、
泣くことをやめ、何かしらの反応をただただ
だまって見つめ続ける少年のび太。

当然ですがポケットに手を入れてみたり、
スペアポケットなんてのもありましたが
作動しないのです。

そして、なんで今まで気付かなかったのか、
のび太の引き出し、
そう、タイムマシンの存在に気がつくのです。

ろくすっぽ着替えず、
のび太はパジャマのまま、
22世紀へとタイムマシンに 乗り込みます。

これですべてが解決するはずが...。

のび太は、なんとかドラミちゃんに
連絡を取り付けました。

しかし、のび太はドラミちゃんでも
どうにもならない問題が発生していることに
この時点では気が付いていませんでした。

いえ、ドラミちゃんでさえも
思いもしなかったことでしょう。

「ドラえもんが治る!」、
のび太はうれしかったでしょう。

せかすのび太と状況を完全には
把握できないドラミちゃんは
ともにかくにも20世紀へ。

しかし、この後に人生最大の
落胆をすることになってしまうのです。

動かないお兄ちゃんを見て、
ドラミちゃんはすぐにお兄ちゃんの
故障の原因がわかりました。

正確には、故障ではなく電池切れでした。

そして電池を交換する、その時、
ドラミちゃんはその問題に気が付きました。

予備電源がない...。

のび太には、なんのことか分かりません。
早く早くとせがむのび太に
ドラミちゃんは静かに伝えます。

「のび太さん、お兄ちゃんとの
思い出が消えちゃってもいい?」

当然、のび太は理解できません。

なんと、旧式ネコ型ロボットの耳には
電池交換時の予備電源が内蔵されており、

電池交換時にデータを
保持しておく役割があったのです。

そして、そうです、

ドラえもんには耳がない...。

のび太もやっと理解しました。

そして、
ドラえもんとの思い出が甦ってきました。

初めてドラえもんに会った日、
数々の未来道具、過去へ行ったり、

未来に行ったり、恐竜を育てたり、
海底で遊んだり、宇宙で戦争もしました。

鏡の世界にも行きました。
どれも映画になりそうな位の思い出です。

ある決断を迫られます...。
ドラミちゃんは、いろいろ説明をしました。

ややこしい規約でのび太は
理解に苦しみましたが、

電池を交換することでドラえもん自身は
のび太との思い出が消えてしまうこと、

今のままの状態ではデータは消えないこと、
ドラえもんの設計者は、

設計者の意向で明かされていないので
(超重要極秘事項)

連絡して助けてもらうことは
不可能であるという、

これはとっても不思議で
特異な規約でありました。

ただ修理及び改造は自由であることも
この規約に記されていました。

のび太はドラミちゃんにお礼を言います。

そして「ドラえもんはこのままでよい」
と一言、告げるのです。

ドラミちゃんは後ろ髪ひかれる想いですが、
何も言わずにタイムマシンに乗り、
去っていきました。

のび太、小学6年生の秋でした。

あれから、数年後...。

のび太の何か大きく謎めいた魅力、
そしてとても力強い意志、

どこか淋しげな目、
眼鏡をさわるしぐさ、

黄色のシャツと紺色の短パン、
しずかちゃんが惚れるのに
時間は要りませんでした。

外国留学から帰国した青年のび太は、
最先端の技術をもつ企業に就職し、

そしてまた、
めでたくしずかちゃんと結婚しました。

そして、それはそれはとても
暖かな家庭を築いていきました。

ドラミちゃんが去ってから、
のび太はドラえもんは未来に帰ったと
みんなに告げていました。

そしていつしか、
誰も「ドラえもん」
のことは口にしなくなっていました。

しかし、のび太の家の押入には
「ドラえもん」が眠っています。
あの時のまま...。

のび太は技術者として、
今、「ドラえもん」の前にいるのです。

小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、
彼なりに必死に勉強しました。

そして中学、高校、大学と進学し、
かつ確実に力をつけていきました。

企業でも順調にある程度の成功もしました。
そしてもっとも権威のある大学に

招かれるチャンスがあり、
のび太はそれを見事にパスしていきます。

そうです、「ドラえもん」を治したい、
その一心でした。

人間とはある時、突然変わるものなのです。

それがのび太にとっては
「ドラえもんの電池切れ」だったのです。

修理が可能であるならば、
それが小学6年生ののび太の
原動力となったようでした。

自宅の研究室にて...。

あれからどれくらいの
時間が経ったのでしょう。

しずかちゃんが研究室に呼ばれました。
絶対に入ることを禁じていた研究室でした。

中に入ると夫であるのび太は
微笑んでいました。

そして机の上にあるそれをみて、
しずかちゃんは言いました。

『ドラちゃん…?』 のび太は言いました。

『しずか、こっちに来てごらん、
今、ドラえもんのスイッチを入れるから』

頬をつたうひとすじの涙...。

しずかちゃんはだまって、
のび太の顔を見ています。

この瞬間のため、
まさにこのためにのび太は
技術者になったのでした。

なぜだか失敗の不安はありませんでした。
こんなに落ち着いているのが

変だと思うくらいのび太は、
静かに、静かに、そして丁寧に・・・・

何かを確認するように
スイッチを入れました。

ほんの少しの静寂の後、
長い長い時が繋がりました。

『のび太くん、宿題は済んだのかい?』

ドラえもんの設計者が謎であった理由が、
明らかになった瞬間でもありました。

あの時と同じように、
空には白い雲が浮かんでいました。

※フェイスブックページより

————–
これはフィクションのようです。
誰が作ったかわかりません。
ただ、人はきっかけがあれば変われるんだということがわかります・・


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心の窓 「賞賛の拍手」

「賞賛の拍手」

特急バスが発車して間もなく、前方座席でなにやらトラブルが起こりました。
「なんとか峠の手前のホロ町で降ろしてもらえんかのう」
とガイド嬢に声をかけているのは一人のおじいちゃん。

ガイド嬢は困った表情でこう話しています。
「お客様、特急バスは決められた所にしか、規則でお停めできないことになっているんです。
申し訳ございません」

おじいちゃんは座席につかまりながら立ち上がり、さらに頼み込みました。
「このバスが特急バスと知らんで乗ってしもうたんじゃ。
ホロ町にみんなが集まっとっての。
時間までにワシが行かんとみんなが困るんじゃよ。
なんとか停めてもらえませんかのう」

ガイド嬢はすまなそうに言いました。
「おじいちゃん、ごめんなさい。
安全な場所にお停めして降りていただくことはできるのですが、
そうするとほかのお客様から『じゃあ、あそこに停めて』とか、
『私はここで降ろして』というご依頼があったときにお断りすることができなくなってしまうんです。
本当にすいません」

おじいちゃんは途方に暮れて、独り言のようにつぶやきました。
「峠を越えた所で降りたんじゃワシのこの足では歩けんし、
ホロ町の手前で降ろされたんじゃ時間に間に合わんし…困ったのう、困ったのう…」
車内の鉄棒につかまったまま、おじいちゃんは少し震えているようでした。
周りを見渡すと、ほかの乗客も心配そうにおじいちゃんを見つめています。

そのときでした、それまで運転手さんと話し込んでいたガイド嬢がひとつうなずいたかと思うと、
客席に向かって姿勢を正し、こう話し始めたのです。

「お客様に申し上げます。
当バスはこれより峠に差しかかりますので、念のためブレーキテストを行います。
ブレーキテスト、スタート!」

特急バスは徐々に速度を落とし、静かに停車しました。
ガイド嬢はさらに言葉を続けます。
「ドア開閉チェック!」
乗降ドアがスーッと手前に開きました。

するとガイド嬢はおじいちゃんに向かって目で合図をし、右手を小さく前に差し出したのでした。
おじいちゃんはハッと気がついて、急いで荷物を持ち、乗降口に進みました。
そしてステップの前でクルリと振り向くと、
運転手さんとガイド嬢に手を合わせ、何度も何度も頭を下げました。

おじいちゃんが降りると、ゆっくりとバスのドアは閉まり、ガイド嬢の明るい声が社内に響きました。
「ドアの開閉チェック完了。
ブレーキテスト完了。
発車オーライ!」

エンジン音とともにバスが再び走り始めました。
と、期せずして車内には大きな拍手が沸き起こりました。

ホッとした表情でうれしそうに拍手を送っている人、なかには涙ぐんでうなずいている人もいます。
走りだしたバスに向かって、両手を合わせ頭を下げているおじいちゃん。
その姿は次第に遠ざかり、やがて視界から消えていきました。

出典元:(本気で生きよう!なにかが変わる 大和書店)


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心の窓 「すべてはタイミング」

ある若者が東京で寿司屋で修行していた頃の話。

親方から「最高級品のみで作り上げた超豪華弁当とカップヌードルどっちを選ぶか」と聞かれた。
もちろん彼は当たり前に超豪華弁当と答えた。

「じゃ、今お前は極寒の寒空の下で何かしらの仕事をしていたとする。身体も冷え切って、午後もその仕事だ。そこで昼飯になった。用意された、冷え切った超豪華弁当とカップヌードル、どっちを選ぶか?」と聞かれた。一瞬迷ったがカップヌードルと答えた。

「その気持ちを覚えておけ」

彼は、今でもずっとその言葉が離れないと話していました。

ある講演会でも、「最高級のフランス料理と、3日何も食べれなかった後に食べる食パンとどっちがうまいか」という話もありました。

食パンに決まってますよね。

これらは全てのビジネスにも繋がります。

必要な人に必要な物を提供できるか?
その時の自分に必要な物を得ることができるか?
って言うことですね。

一方通行では何も先には進まない。
お互いに分かり合えて初めて一歩先に進める。親方の教えは深い意味があったのです。


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心の窓 「約束のホームラン」

【約束のホームラン】

これはアメリカのある田舎町に住む野球好きの少年と、メジャー屈指のスラッガーのお話です。

主人公の野球好きの少年は、小さな頃に事故で視力を失いました。

少年が10歳になった時、少年の両親は主治医から衝撃の事実を伝えられます。

「彼の目の見えなくなった理由は、事故で彼の脳が大きなダメージを負ったからです。彼の脳は今でも少しずつ失われています。このままではやがて、彼は命を落としてしまうでしょう」

「脳の手術を行うしかありません。運が良ければ、目もまた見えるようになるでしょう。ただ、大きな手術になるので当然大きなリスクも伴います」

両親は悩んだ末に手術を行うことを決意し、そのことを息子にも伝えますが、頭の中の手術ということで彼はなかなか「うん」と言うことができません。

少年は大の野球好きで、メジャーリーグでも5本の指に入るあるスラッガーと彼のチームの大ファンでした。

そこで両親は、そのメジャーリーガーが直接息子に会って説得をしてくれれば、手術を決断してくれるのではないかと考え、いろいろなルートでそのメジャーリーガーとコンタクトを取ろうと駆け回りました。

しかし世の中、そんなに甘くはありません。
いつまでたってもそのメジャーリーガーと少年の面会はかなわず、月日だけがどんどんと過ぎていきました。

そんな折、1本の電話が鳴りました。
電話の相手は、何とそのメジャーリーガーだったのです。

噂を聞いた彼のマネージャーが、盲目の少年の事をメジャーリーガーに話してくれたのです。
こうしてついに、少年とメジャーリーガーの面会が実現しました。

「君自身のためにも、君のことを心配してくれる両親のためにも、手術を受けてくれないか?」

「でも頭の中の手術だっていうし…正直怖いんだ」

「でも…」

「でも?」

「僕のためにホームランを打ってくれるなら…」

「何だって?」

「次の試合、あなたが僕のためにホームランを打ってくれるなら、手術を受ける。手術を受ける勇気が沸いてくると思うんだ」

少年の申し出にメジャーリーガーは一瞬戸惑いました。
もしもホームランを打てなかったら、少年は手術を受けてくれないかもしれません。
そうなれば、最悪の事態も想定されます。しかし。

「ああ!次の試合、君のためにホームランを打つよ。だから君も、僕がホームランを打ったら手術を受けるんだ」と、反射的に答えてしまいました。

この話はチームの広報担当者がマスコミにリークしていたために、すぐに全米のメディアに取り上げられることになりました。

テレビや新聞は、かつてベーブ・ルースが行った「予告ホームラン」になぞらえ、この話を大々的に報じました。

翌日の新聞には
「予告ホームラン、盲目の少年と約束」
という大きな見出しが載りました。

メジャーリーガーは後悔していました。
もし自分がホームランを打てなければ、少年は手術を受けてくれないかもしれません。
そうなれば、彼の命は危険にさらされます。

しかし、自分にできることはとにかくベストを尽くすことしかないと考え、当日の試合を迎えました。

当日の試合はメディアによる報道もあり、大変な注目の中で行われることになりました。
少年もラジオの実況中継が始まるのを待ちわびていました。

午後6時30分、試合が始まりました。

相手チームのエースは連戦連勝、その勢いのままに初回から真っ向勝負を挑んできました。
予告ホームランのことは知っていましたが、手を抜くことはプロとして失格だし、スラッガーである彼にも失礼だと考えていたのです。

7回終了時点で彼の成績は3打数1安打1三振。
ホームランはまだありません。

そして迎えた9回裏の最終打席。
2アウト2、3塁、1対3、2点差で負けている場面でした。

ここでホームランを打てば逆転サヨナラ、彼のチームの勝利です。
次のバッターは絶不調だったので、ここは彼を一塁に歩かせてもいい場面でした。

しかし、相手チームのエースはマウンドでストレートの握りを彼に見せました。
予告ホームランに対し、予告ストレート、この相手エースの予告投球に、スタジアムは騒然となりました。

相手エースとスラッガーの勝負は2-3のフルカウントまでもつれました。
相手エースは、最後の一球もストレートを予告しました。

最後にエースが投げた渾身のストレートを、彼はフルスイングしました。

「お願い打って!!」球場にいた人たちも、テレビで見ていた人たちも、ラジオで聞いていた少年も、皆が天に祈りました。

!!!

しかしボールはキャッチャーミットの中。
試合終了です。

その時でした。
実況をしていたラジオのアナウンサーが叫びました。

「やりました!打ちました!!大きな打球がスタジアムを超えて場外へ、月に届くかのような大きな大きなホームランです!!」

スタジアムの観客も拍手をして、2人の勝負を讃えました。観客は彼の名前を連呼し「ナイスホームラン!」と口々に叫び、いつのまにか球場全体が同じ言葉でつながっていました。

アナウンサーは少年の名前を呼んで言いました。
「聞こえるかい、すごい声援だろう? 彼は見事に君との約束を果たしたんだ!」

「今度は君自身が手術でホームランを打つんだよ。そして手術を成功させて、いつの日か君の目でホームランを見にスタジアムに来るんだ」と締めくくりました。

明くる日の新聞にこんな言葉がありました。
” 昨日の試合、彼の成績は4打数1安打2三振。ただそのうちの1三振は、見事なホームランだった”

誰もが目撃したのです。
心でしか見えないホームランを。
ラジオのアナウンサーはそのホームランを見事に実況したのです。

1年後、球場にはかつて盲目だった少年の姿がありました。
少年の瞳には、スラッガーの放つ豪快なホームランの軌跡がはっきりと映っていました。
幻のホームランは、時を超えて本物のホームランになったのです。

<出典>:https://hibikukokoro.blogspot.com/2013/10/blog-post.html


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心の窓 「奇跡のラブストーリー」

「奇跡のラブストーリー」~60年も胸に秘めていた想い

ある男性がSNSに投稿した話が、
海外サイトで話題になりました。

このストーリーの発端は、
ひとりの男性が通りに落ちている財布につまずき、
財布を拾ったことから始まります。

——————————————

私は、持ち主を見つけるために、
何か手がかりがないものかと
財布の中身を確認しました。

中には3ドルの紙幣と見るからに古いしわくちゃの手紙。

手紙の唯一の手掛かりは差出人でした。

他の手掛かりを見つけることを期待して、
失礼ながら手紙を開きました。

日付には1928年と書かれていました。

手紙はおよそ60年前(その当時)に書かれていたのです。

それは美しい、女性の筆跡で書かれていました。

左隅に小さな花が印刷された青い便箋。

内容を読んでみると
それは、母親に禁じられ、
彼に会うことが出来ないことを告げた別れの手紙でした。

それでも、「あなたのことが大好き」
と何度も書かれていました。

差出人は「ハンナ」と署名。

それは美しい手紙でした。
情報はただひとつ。

「マイケル」に宛てた手紙だという以外にありませんでした。

そして封筒には電話のリストが書かれていました。

番号案内に電話をかけました。

オペレーターに
「拾った財布の持ち主を見つけたいのですが、
 財布の中にあったリストで持ち主を見つけることはできますか?」
と尋ねると、
彼女は一瞬ためらいましたが、
「そのリストですが、残念ながら私からあなたに、
 個人情報を教えることは出来ません…」と述べました。

しかし、彼女は丁寧な応対で
「上司と相談してみます」と答えました。

数分待った後、オペレーターを通じて
複数で話ができるパーティートークならOKということで、
3人の電話がつながりました。

女性に「ハンナ」の名前を尋ねると、
彼女は「ああ!」と驚きました。

「私たちはハンナという名前の娘さんがいた家族から、
 この家を買いました。でも、それは30年前の話です」

「その家族が今住んでいる場所が分かりませんか?」
と尋ねると、
「ハンナは何年か前に老人ホームに母親を
 預けなければならないと話していました。
 もしかしたら、その老人ホームと連絡を取れば、
 娘のハンナのことが分かるかもしれません」

彼女は、私に老人ホームの連絡先を教えてくれました。

連絡をとると、母親は数年前に亡くなったとのことでしたが、
娘(ハンナ)が住んでるかもしれない場所の
電話番号を知っていました。

その電話番号も老人ホームのものでした。

私は彼らに感謝し、電話を掛けてみると、
「ハンナは以前こちらのホームに住んでいました」
と説明されました。

さらにハンナが移転した先の
特別養護老人ホームの連絡先を教えてもらいました。

電話をかけると男性が、
「はい。ハンナは私たちのところに住んでいます」
と答えました。

時計を見ると、すでに夜の10時でした。

「これから彼女に会いに行くことは可能ですか?」
と尋ねると、
「もし会いたいのなら、彼女は部屋で
 テレビを観ているかもしれません」

彼に感謝し、老人ホームに車を走らせました。

夜勤看護師と警備員が私を迎えてくれました。

私たちは豪華な建物の3階に上がり、
看護師はハンナを紹介してくれました。

彼女は優しい笑顔と煌めいた瞳を持つ、
素敵な銀髪の老婦人でした。

私は財布を見つけたことについて説明し、
彼女に手紙を渡しました。

彼女はきれいな小花のついた青色封筒を見た瞬間、
深呼吸をしてこう語りました。

「若い頃、この手紙はマイケルに送った最後の手紙でした…」

彼女は深くため息をつき、はにかみながら
「私はとても彼を愛していたわ」
と小さな声で囁きました。

「私はその時16歳。
 母は私が恋愛するにはまだ早過ぎると反対したの。
 ああ!彼はとてもハンサムだったわ。
 まるでショーン・コネリーみたいだった」

「マイケル・ゴールドスタインは素晴らしい人でした。
 もしあなたが彼を見つけてくれるなら、
『私はまだ彼を愛している』と言って」

涙を溜めて
「私は彼を思って結婚しませんでした」と語るのです。

私はハンナに礼を言い、別れを告げました。

帰ろうとエレベーターに乗った時、警備員に話しかけられました。

「あなたが探していた老婦人に会えましたか?」

「財布の持ち主を見つけるために、ほぼ一日を過ごしました」
と話し、赤いひも付きの茶色の革財布を取り出しました。

その瞬間、警備員が驚くべきことを口走ったのです。

警備員は、私が取り出した財布を見た瞬間、
「ちょっと、ちょっと待ってください!
 それはゴールドスタインさんの財布ではないでしょうか。
 その財布は、ここの誰もが知っていると思います。
 彼はしょっちゅう財布を失くし、
 ホールで3回以上発見してますよ」

「ゴールドスタインさん?」

「彼はこの施設に住む8階の老紳士のひとりです。
 その財布は確かにゴールドスタインさんのものです。
 彼は散歩の途中で失くした可能性があります」

私は警備員に礼を告げ、すぐに看護師のオフィスに走りました。

警備員に言われたことを看護師に話すと、
私たちはエレベーターに乗り、ゴールドスタインさんが
まだ起きていることを祈りました。

8階の看護師は、
「彼はまだ部屋で本を読んでいると思います」
と述べました。
「彼は夜に本を読むのが好きなんです」

私たちが彼の部屋に行くと、本を読んでいる男性の姿がありました。

看護師は「財布を落としませんでしたか?」
と彼に尋ねると、背中のポケットに手を入れ、
「ああ!それを落としたらしい」とゴールドスタイン氏。

「この男性が発見してくれたんですよ」と看護師。

彼に財布を手渡すと、ホッとして微笑みながら
「それは私の財布です。
 今日の午後、私のポケットから落ちたのかもしれない。
 あなたが親切に届けてくれたお礼をしたい」と。

「いいえ、気持ちだけで十分です」とお断りしました。

「でも、あなたに大事なことをお伝えする必要があります。
 失礼ですが、財布の持ち主を探すために
 手紙を拝見させていただきました」

ゴールドスタイン氏の顔に笑みが失せ
「あなたはその手紙を読みましたか?」

「はい、手紙を読んだだけではなく、
 ハンナがどこにいるか知っています」
と答えました。

彼は急に青ざめ
「ハンナ?彼女がどこにいるかをご存じですか?
 彼女はどこに?彼女のことを教えてください!」
と必死に懇願します。

「彼女は…あなたが知っていた昔と同じように、
 美しい人ですよ」とそっと言いました。

ゴールドスタイン氏は一瞬微笑んで、
「私は明日彼女と会いたい…」

彼は私の腕を掴み、
「私はその手紙が届いたとき、人生の終わりだと思いました。
 どれだけ彼女のことを愛していたか分かりますか?
 私は今まで結婚をしたことがありません。
 それだけ彼女のことを愛してきたのです…」

ゴールドスタイン氏の切実な想いを感じ、
「一緒に来てください」と言いました。

私たちは3階までエレベーターで降りると、
廊下は2つだけライトが点いていました。

ハンナはまだテレビを観ながら、
ひとり座っていました。

看護師はハンナに歩み、
戸口で一緒に待っていたマイケルを指さし、
そっと言いました。

「あなたはこの男性を知っていますか?」

ハンナは老眼鏡を整え言葉を発しませんでした。

マイケルはそっと囁いたのです。

「ハンナ。私はマイケルです。覚えていますか?」

彼女は一瞬息を飲み、
「信じられない!マイケル。あなたなのね」

…看護師と私は感動で涙を拭いました。

このストーリーは、ここで終わりませんでした。

それから3週間後、特別養護老人ホームから
私のオフィスに電話がありました。

「マイケルとハンナは結婚します。
 日曜日の結婚式に出席することができますか?」

それはお祝いに参加するために、
特別養護老人ホームの人々が衣装を着飾った、
それはそれは美しい結婚式でした。

ハンナはライトベージュのドレスをまとい、
美しい老婦人に見えました。

マイケルはダークブルーのスーツに身を固め、
背の高い最高の紳士に見えました。

76歳の花嫁と79歳の新郎が、
ティーンエイジャーのような、
純愛を実らせた素敵なカップルに
施設はふたりの部屋を与えたそうです。

ひとりの男性が道端に落ちていた財布を拾い、
60年前に送られた手紙に書かれた唯一の手掛かりは、
差出人と電話リストでした。

拾い主の親切な心と探求心に火が付いたのか、
ほぼ1日中駆け回ります。

ストーリーの結末は、なんと、同じ老人ホームの
3階と8階に住んでいた老人同士だったのですね。

出典:https://yuru2club.com/wp/?p=14101&fbclid=IwAR3WKR0c3r_MzXfwbYzs58Eiyk9ymLARoLCIrNe9kw0V6hbMsLpu-iEmeA4


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