時々幼稚園や保育園の調律があります。
ピアノの前に工具を並べ始め始めると、今まで奇声を発していた子供たちが大勢ピアノの回りに集まってきます。
そして、「おじさんピアノをどうするの?」と人なつっこい子供は聞いてきます。
「今からピアノをキレイな音にするからね」
「ふーん」
そしてピアノの外装をはずしはじめると
「あーっ! ピアノを壊したぁ~!」
そして・・・・。
「いーやーやーいやや、セーンセーに言ったーろー」
と、大合唱。
「違う違う! ピアノを壊したんじゃなくて、直すんだよ」
今度はピアノの回りに集まって大騒ぎ。先生の言う事もききません。
そこで一考。
「ねえねえ。この中で一番強い子だれ?」
するとみんな一斉にある男の子を指さして
「たけし君!」
たけし君は一歩前へ。
私はたけし君の耳元で、「たけし君は強いの? だったらみんながこの線から中に入らないようにできる?」
たけし君は俄然張り切ってピアノの回りの線を指差して
「ここから入ったらだめ!」
とみんなに言って、一歩でも足の出た子を押し戻し完全にその場を仕切っていました。
(やっぱり子供の世界にも、リーダーとなる素質の子がいるんだなぁと納得)
でも、これは15年前の話し。今は、リーダーがいません。
みんなが集まって仕事にならなくなると、一曲演奏するのです。
「となりのトトロのさんぽを歌おうか?」
先生も一緒に大合唱。
そして、「調律が終わったらドラえもんを弾いてあげるから静かにあそんでられる?」
というと、すーっと静かになります。騒ぐ子がいたら、みんなが「しーっ!」。
だって、ドラえもん歌いたいもんね。