心の窓」カテゴリーアーカイブ

心の窓 30.誤 審

誤 審

出場か、辞退か・・・・・。

県大会決勝での誤審をめぐり出場権を手にした選手も、

校長も、悩みぬいた。

年末に開幕した全国サッカー選手権。

岡山県のA高校が1回戦で敗れた。

校長は思った。初戦敗退は残念だったが、正直ホッとした。

県大会優勝後が大変だった。

「フェアーじゃない」「辞退しろ」。

抗議のメールが学校のホームページに何通も届いた。

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岡山県大会決勝戦は延長にもつれ込んだ。

前半3分、B高校のシュートがゴール左ポストを直撃、

ボールはゴール内へ跳ね返り、右奥の支柱に当って転がり出てきた。

Vゴールだ。

B高校イレブンは飛び跳ねて喜んだ。

だが、主審は顔を横に振ると試合を続行。

全校大会への切符は。PK戦でA高校がもぎ取った。

閉会式の間、B高校の監督はビデオを手に大会役員に抗議したが、

聞き入られなかった。

その光景をA高校のストライカーは黙って見ていた。

小学生からサッカー一筋。

このトーナメントでも4試合5得点のうち3点を彼が挙げた。

問題のシュートは良く見えなかった。

しかし、帰宅後見たテレビ録画で、幻でなかったことを知る。

顔色の変わりように母親が驚いた。

翌朝、彼は仲間と一緒に校長から激励された。

「勝因は君たちの執念だ」。

「違う。勝因は誤審だ」と思った。

彼は主力10人を集めて問いかけた。

「B高校の連中の気持ちを考えても自分は出場できない」。

イレブンの意見は割れ、多数決になった。

「出場が6人」。

「辞退」は彼を含めて5人だった。

結論を、彼は監督に伝えた。

「気持ちは十分に分かった。

でも、出る出ないはお前達が決められることじゃない」。

監督はそう答えた。

ストライカーは練習に出なくなった。

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決勝の審判団4人は試合後、主催者の調べにミスを認めた。

試合の4日後、協会は問題のシュートは「入っていた」と結論づけた。

だか、A高校が優勝という試合結果は覆らなかった。

それでもストライカーの悩みは解けなかった。

B高校の選手に電話もした。

「自主退部する」と告げると、一人は

「お前みたいなやつがA高校にもっとおりゃあいいのに」と言った。

別の一人は、「気にせんでもええ」と励ました。

家族の意見も二つに分かれた。

校長は困り果てた。

教職員と話しあい、県高校体育連盟などにも相談した。

そして校長は腹を決めた。

「生徒は悪いことしとらん。ルールに従って選ばれた。

出ないと判断したら組織が崩れる」

期末試験が終わるのをまって、会議室に呼び出した。

「いきさつは聞いた。全国大会に出たくないと」

「試合は負けでした。負けたのに出るのはおかしいと思います」

制服姿のストライカーはきっぱりと言った。

「気持ちは気持ちは分かる。でもな、社会に出たら、

自分の主義主張だけでなく、人間関係も大事だぞ」

「よく考えてみます」

「世の中は助け合い。組織で動くもんだ。

チームは君の力を必要としている。わからんか」

「分かります。でも気持ちは変わりません」

2人だけで35分間。

校長は「出てくれんか」と言いそうになるのを何回も飲み込んだ。

骨のある子だと思った。

別れ際に握手をした。

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大みそか。ストライカーは自分の欠けた試合をテレビで見た。

母親に一度だけ「東京に応援に行かせてあげられんでごめんな」

と謝ったが、出場を辞退したことは今でも正しかったと思う。

校長は試合後、観客席で会う人ごとに「いい試合じゃった」と言った。

元日の新聞に「出場してよかった」という選手達の談話が載った。

校長も自分の決断は正しかったと思っている。

                   <出典:朝日新聞2003年1月5日35面> みなさんはどう感じられましたか? だれが正しくてだれが間違っているということは誰もいえません。 みんな悩んで、それぞれが何かを学んだのだと思います・・・。


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心の窓 29.子犬と男の子

子犬と男の子

あるペットショップの店頭に、「子犬セール中」の札がかけられました。

子犬と聞くと、子どもはたいそう心をそそられるものです。

しばらくすると案の定、男の子が店に入ってきました。

「おじさん、子犬っていくらするの?」

「そうだな。30ドルから50ドルってところだね」

男の子は、ポケットから小銭をとり出して言いました。

「ぼく、2ドルと37セントしかないんだ。でも見せてくれる?」

店のオーナーは思わずほほ笑むと、奥に向かってピーッと口笛を吹きました。

すると、毛がフカフカで丸々と太った子犬が5匹、店員の後ろをころがるように出てきたのです。

ところが1匹だけ、足をひきずりながら、一生懸命ついてくる子犬がいるではありませんか。

「おじさん、あの子犬はどうしたの?」と男の子は聞きました。

「獣医さんに見てもらったら、生まれつき足が悪くて、たぶん一生治らないって言われたんだよ」

と店のオーナーは答えました。

ところがそれを聞いた男の子の顔が輝き始めたのです。

「ぼく、この子犬がいい。この子犬をちょうだい!」

「坊や、よしたほうがいいよ。

そりゃ、もしどうしてもこの子犬がほしいって言うなら、ただであげるよ。

どうせ売れるわけないから」と店のオーナーが言うと、男の子は怒ったようににらみつけました。

「ただでなんかいらないよ。おじさん、この犬のどこがほかの犬と違うって言うの?

ほかの犬と同じ値段で買うよ。今2ドル37セント払って、残りは毎月50セントずつ払うから」

その言葉をさえぎるように、店のオーナーは言いました。

「だって、この子犬は普通の犬みたいに走ったりジャンプしたりできないから、

坊やと一緒に遊べないんだよ」

これを聞くと、男の子は黙ってズボンのすそをまくり上げました。

ねじれたように曲がった左足には、大きな金属製のギプスがはめられていました。

男の子は、オーナーを見上げて優しい声で言いました。

「きっとこの子犬は、自分の気持ちがわかってくれる友だちがほしいと思うんだ」

<出典:心のチキンスープ>


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心の窓 28.理想の兄

理想の兄

ある年のクリスマスイブのこと、

ポールは、兄さんからクリスマス に新車をプレゼントしてもらった。

ポールがオフィスから出てくると、街でよく見かける少年が、

そのピカピカの新車のまわりを歩き回っていた。

よほどその車が気に入ったらしく、ポールに話しかけてきた。

「この車、おじさんのかい?」

「ああ、兄貴からのクリスマスプレゼントさ」と、

うなずきながらポールは答えた。

少年はそれを聞いてひどく驚いた様子だった。

「えっ? おじさんの兄さんがくれたって?

おじさんは全然お金を払わなくてよかったの?

うわあっ、すごいな? ぼく・・・」

と、少年は何かを言いかけたが、そのまま口をつぐんでしまった。

少年は、「ぼくにも、こんな兄さんがいたらなあ」

と言いたかったのだろう、とポールは思った。

ところが、少年の口から出た言葉にポールは耳を疑った。

「ぼくね、おじさんの兄さんみたいになりたいなって思ったんだ」

ポールは、まじまじと少年の顔を見つめていたが、

自分でも思いがけない言葉が口をついて出ていた。

「この車に乗ってみるかい?」

「本当? ウン」

車を走らせてまもなく、少年の目はキラキラと輝き始めた。

「おじさん、ぼくの家の前まで乗せてくれる?」

ポールは思わずニヤッとした。

きっとこんな大きな車で帰ってくるところを近所の人たちに見せて、

自慢したいんだなと思った。

しかし、その憶測はまたもやはずれた。

「あそこに階段がついている家が見えるだろう? 

そこでちょっと待っててくれる?」

少年は車を降り、駆け足で家に入っていった。

しばらくすると家の中から、ゆっくりとした足音が聞こえてきた。

少年が身体の不自由な弟を背負って出てきたのだった。

弟を階段の一番下に座らせ、車がよく見えるように弟の身体を支えた。

「ほらバディー、見てごらん。さっき言ったとおり、すごい車だろ。

そこにいるおじさんの兄さんがクリスマスプレゼントにくれたんだって。

それも、まるっきりタダでくれたんだって。

お前も、待ってなよ。兄ちゃんが、いつかきっとあんな車をお前に買ってやるからね。

そしたら、いつも話してるクリスマスのきれいな飾りを、その車に乗って見に行こうね」

それを聞いたポールは何も言わずに車を降りると、少年の弟を抱き上げ、

新車の助手席に座らせた。

目をキラキラ輝かせた少年もその横に乗り込むと、三人はドライブに出かけた。

本当にすばらしいクリスマスのドライブだった。

このクリスマスの日、ポールは聖書のみことばをしみじみ感じたのである。

「受けるよりは与えるほうが幸いである」

<参考文献:『心のチキンスープ』ジャック キャンフィールド、マーク・ビクターハンセン著、ダイヤモンド社>


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心の窓 27.○と×の顔

幸せになる顔の相があるという話を聞きました。

眉毛の線と口元の線を結んで○が書ける人。

眉毛がつりあがって口がヘの字で、線で結ぶと×の字が書ける人。

明るい人には人が集ります。かわいがってもらえます。

いつも気難しい表情をしている人には近寄りたくないですよね。

生まれ持った顔つきではなく、

心が一番表にあらわれるのが「顔の表情」。

○の表情を常に持つこと。これは愛と感謝の心の表情ですね。

これが大切だということです。

とても分かりやすいお話でした。


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心の窓 26.ユダヤの法則

ユダヤの法則

 78対22の法則とも言うそうです。

「人のすることには必ず限界があって、78%が最高であり、100%になることはない」

私はこれを聞いて、少し気が楽になりました。

じゃあ、出来ない22%はそのままにおいたらいいのかと言うとそうではなくて、

「78%の限界ギリギリまでできてよかったね。じゃあ次は、出来なかった22%にチャレンジしよう!」

とその22%に取り組むわけです。

そうすると、その22%を100%とすると、

そのうちの78%が出来る可能性があると言うことですよね。

そうして、徐々に最初の100%に限りなく近づいていきます。

だから出来なかった22%を責めるのではなく、

出来た78%をほめて伸ばせば良いだけなんですね。

取り組んだ一部は出来なくて当たり前なんだから、そこを次にクリアすればいいんです。

以前に書きました「長所を伸ばす」「お母さんの一言」と通じるものがありますね。


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