心の窓」カテゴリーアーカイブ

心の窓 「なんのために勉強するの?」

「朝がくると」 詩人:まど みちお

朝がくると とび起きて
ぼくが作ったものでもない
水道で 顔をあらうと
ぼくが作ったものでもない
洋服を きて
ぼくが作ったものでもない
ごはんを むしゃむしゃたべる
それから ぼくが作ったものでもない
本やノートを
ぼくが作ったものでもない
ランドセルに つめて
せなかに しょって

さて ぼくが作ったものでもない
靴を はくと
たったか たったか でかけていく
ぼくが作ったものでもない
道路を

ぼくが作ったものでもない
学校へと
ああ なんのために

いまに おとなになったら
ぼくだって ぼくだって
なにかを 作ることが
できるように なるために

これは今から35年以上前に発表された詩です。人はなんのために勉強するの? という答えがここにあるような気がします。


にほんブログ村参加中!
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ にほんブログ村 音楽ブログ 楽器・音楽機材へ
カテゴリー: 心の窓 | 心の窓 「なんのために勉強するの?」 はコメントを受け付けていません

心の窓 「夫婦愛」

「夫婦愛」

夫のSさんは71歳。

妻のYさんは69歳。

宮城県名取市に住居を構え、2人暮らしだった。

妻のYさんは悪性のリウマチを患っており、全身の関節に手術を施され車椅子の生活をしていた。

2人でTVを見ていた時、突然の揺れが夫婦を襲う!

障子やふすまは外れ、棚が倒れる!

夫はとっさに「逃げなければ!」

と思ったが、妻は1人では動けない。

車椅子を押して逃げるも部屋の中は障害物だらけで思うように出来ない。

避難訓練は定期的にしていたが、実際には不可能だ。

車椅子を捨て、妻をおぶって避難所までいく自信もない。

死を覚悟した2人だったが、程なく揺れは収まる。

しかし、外から津波を知らせるアナウンスが聞こえてきた!

2人は

「こんどこそ本当にダメだ!」

と本気で思った。

津波は程なくやって来た。

瓦礫、油、汲み取り式トイレから溢れ出た汚物、海から運ばれてきたヘドロ…。

ありとあらゆるものが家の中を流れてゆく…。

水位はみるみる上昇していく…。

夫は妻をちゃぶ台に乗せて水から逃れようとした。

水はすぐに肩のあたりまでになった。

助けを呼ぼうにも窓は瓦礫で塞がってしまった。

声は届かない…。

3月の東北は寒い。

水の中に浸かっていると、それだけで体力が奪われてしまう。

妻「お父さん、これまでお世話になりました…。」

夫「バカっ!これからも世話するからしっかりしろっ!!」

妻「お父さんのおかげで、私は幸せでしたよ…。」

夫「黙れっ!」

妻「私のことはいいから、お父さん、先に逃げて下さい…。」

夫「黙れっ!黙れっ!」

妻「…そして無事だったら後から助けに来て…。」

夫「うるさいっ!!!!」

夫の目には涙がポロポロ溢れてきた……。

夜になったが、当然電気は使えない。

寒さ、暗さ、汚臭、そして絶望感…。

世界でたった2人だけ取り残されたような思い…。

長い夜が明け始めた午前5時半頃、水が膝くらいまで引いてきた。

夫は妻をちゃぶ台から降ろし、ずぶ濡れのソファーに座らせた。

そして逃げ道を確保するため瓦礫をどかし始める。

妻「何にも出来なくてごめんなさい…」。

夫「ああ…。」

妻「私、ここで待ってるから、お父さんだけ逃げてね。」

夫「あぁ、そうするよ。そして若い奥さんと再婚だ!」

妻「そうして下さい。お父さんはモテるわよ。」

夫、Sさんは

「なにがなんでも妻を助ける。

2人だから生きてこれたのだから。

そして、これからも一緒だ!」

そう強く思った…。

外に出るコトが出来た夫Sさんは、あらんかぎりの声で助けを呼んだ。

すると近くの人達が集まって来てくれた…。

夫「俺は大丈夫だ。

中に妻が居るんだ。

だから…」

助け出された妻Yさんの体温は33℃しかなかったという…。

妻Yさんは搬送先の病院で一命を取り留めた。

妻「ありがとう…。

ありがとう…。

私はお父さんがいないと何にも出来ない…。」

妻Yさんは何度も言った…。

夫「これからも、お世話させて下さい。」

夫Sさんは心からそう言った。

そして妻の肩を抱いた…。


にほんブログ村参加中!
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ にほんブログ村 音楽ブログ 楽器・音楽機材へ
カテゴリー: 心の窓 | 心の窓 「夫婦愛」 はコメントを受け付けていません

心の窓 「めぐり逢い」 2013.5.23

掲示板でみつけたお話し。

独身の頃、スーパーで財布を落としてしまい会計の時に気付きました。
5万円入ってました。(カード、免許証も)

すぐサービスカウンターに行ったら、中学生くらいの男の子が届け出ていたところでした。
「あ~~ 私のです!」って言って手元に戻りました。
その子が神様に見えました。

「お礼を」と申し出たのですが、「僕これから塾なので・・」と風のように去って行きました。
カウンターの人が 住所、氏名を控えておいてくれたので、後日図書券(3000円)とお菓子を持ってお礼に伺いました。

出ていらしたお母様にお礼を言いましたら
「あら~、そんな事があったんですか?
 息子は何も言いませんでしたので・・お気遣いない様に」
とのことでしたが、気持ちよく受け取ってくださいました。

それから3年ほどして、公衆電話でセカンドバッグの忘れ物を発見。
中身を見てみると 封筒に入ったお札がぎっしり!

一瞬・・「自分の物にしちゃおうかな」って悪魔のささやきが・・
でも、前に親切な人に私は助けられたことを思い出し、そのまま交番へ持っていきました。

おまわりさんが中を調べると、現金450万円、カード、小切手、カギ、通帳などがいっぱい。
交番に届けた時って全部書類に書かされるんですね。
すごく時間がかかりました。

おまわりさんが勤務先や自宅の住所に電話をかけ、私が書類を書いてる時に落とし主が現れました。
今にも泣き出さんばかりの顔で「本当にありがとう」と何度もお礼を言われました。

その人は温泉ホテルの2代目で取引先の支払いに行く途中だったそうです。
それがなければとても大変な事になりそうだったそうでとても感謝されました。
特別宿泊券(無料)を10枚くらい頂いたんです。

家族や友達と利用させていただいたんですが、こちらが恐縮するくらい丁寧なおもてなし・・
10年以上たった今も、暮れになるとお歳暮と宿泊券(家族4人分)が送られてきます。

もう充分して頂いたのでと辞退を申し出ても、現在、社長になられた当時の落とし主は
「僕がこの旅館に携わるうちは続けさせてもらいます」
と断固受け入れてくれません。

今では家族ぐるみのお付き合いまでさせてもらってます。
人間同志のめぐりあいって不思議です。

あの中学生に拾ってもらわなければ450万円を自分の物にして、
一生うしろめたい気持ちをかかえたまま生きてたのかな?って時々思う事がありますから・・


にほんブログ村参加中!
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ にほんブログ村 音楽ブログ 楽器・音楽機材へ
カテゴリー: 心の窓 | 心の窓 「めぐり逢い」 2013.5.23 はコメントを受け付けていません

心の窓 「結婚記念日の残業」 2013.5.5

『結婚記念日の残業』

入社4年目で初めての結婚記念日の日。

社内でトラブルが発生した。
下手したら全員会社に泊まりになるかも知れないという修羅場なのに、
結婚記念日なので帰らしてくださいとは絶対に言えなかった…
5時を回った頃、T課長が俺を呼びつけ、封筒を渡して、
「これをK物産に届けろ」と言う。

「届けたら直帰していいから」と言うが、直帰も何も、
K物産に届けて家まで帰ったら、きっと11時は過ぎるだろう…

文句を言いたかったが、「わかりました」と言って封筒を預かった。
中身を見ようとすると「中身は車の中で見ろ。さっさと行け!」とつれないT課長。
不満たらたらの声で「行ってきます」というと、課内の同情の目に送られて駐車場へ向かった。

車に乗り込み、封筒を開けると、一枚の紙切れが。

「結婚記念日おめでとう。今日はこのまま帰りなさい」と書かれていた…

会社に入って初めて泣いた───

kokoro堂より。


にほんブログ村参加中!
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ にほんブログ村 音楽ブログ 楽器・音楽機材へ
カテゴリー: 心の窓 | 心の窓 「結婚記念日の残業」 2013.5.5 はコメントを受け付けていません

心の窓 「これは面白くなりそうだ」 2013.3.28

「これはおもしろくなりそうだ」

ダスキンでは、「これはおもしろくなりそうだ」というモットーをつくったことがあります。

これはどういうことかと申しますと、アメリカで、スピードを出し過ぎた若い青年がカーブを切りそこなって、停まっている車にぶつけるという事故が起こったんです。

その時にぶつけられた人が、その青年をつかまえて

「おれの停まっている車にぶつけやがって、けしからんじゃないか」

と言って怒ってもいいかもしれないのに、

「これはおもしろくなったな」

と言ったんです。いらいらして怒ってみても、すでに起こってしまった事件に対しては、けんかをしてみたところで始まらないんです。

「けがをしなかったか。けがをしなかったらいいじゃないか。後の処理は保険会社にまかそうじゃないか」

と言って、笑って問題を解決する。

新聞記者が飛んできて、事故が起こったというからどんなけんかになったかと思っていたら、
「これはおもしろくなりそうだ」と言ってにこにこして対応したので、どうしてそんな気持ちでいられるのかと聞くと、

「私は十六の年からこの青年のようによく働いた男だ。その自分がいつもけんかばかりしていた。
六十過ぎのこの年になってやっとわかったのは、けんかをしても問題の処理にならないということだ。
起こったことはもうどうにも取り返しがつかないけれども、それを笑って、これはおもしろくなりそうだと思って相手の話し合いをしたら、円満に解決がつくじゃないか。
これがおれの主義になった」

と。いやなこと、苦しいことが起こってくると自分で自分に、これはおもしろくなりそうだと言い聞かせるそうです。

ダスキンでは初期の時代に、毎晩残業が続きました。そうすると「これはおもしろくなりそうだ」と言って残業をするんです。

そうすると、残業してるのが本当におもしろくなってきます。しなきゃならない仕事なら、喜んでやろうじゃないかと。

「また今晩も残業か」

なんて言っていやいややっているのと、

「これはおもしろくなりそうだ」

と喜んでやるのとでは違ってくるのです。

(ギブ&ギブメルマガより転載させていただきました)


にほんブログ村参加中!
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ にほんブログ村 音楽ブログ 楽器・音楽機材へ
カテゴリー: 心の窓 | 心の窓 「これは面白くなりそうだ」 2013.3.28 はコメントを受け付けていません